Jericho Mafjar
プロジェクト

FileMaker Go for iPad が考古学を近代化

Jericho Mafjar の調査を進める考古学者が FileMaker Go for iPad の利点を明かす
 

概要

  • 発掘現場でのデータ収集を簡略化し、成果を他の研究者と共有するために、博士課程学生の Michael Jennings 氏が考古学用の FileMaker Go for iPad データベースを作成。

業種

  • 考古学

ソリューション

  • 発掘現場で FileMaker Go を利用して、考古学の調査結果を収集し、他の研究者と共有。

利点

  • Jericho Mafjar のような注目度の高い遺跡で、即時にデジタル化されて検索と共有が可能な発掘記録を作成; 紙の記録から、検索可能で簡単に共有できるデジタル記録に移行。
「発掘したものを、FileMaker Go for iPad を使ってその場で記録し、決められた科学的な原則に基づいてデータを記録しています」と話す、Michael Jennings 氏。

古代の世界についての知識は、ほとんどが考古学研究の発掘調査によってもたらされてきました。小さなつるはし、こて、巻尺を使って、考古学者たちは過去を掘り出します。ところが皮肉なことに、見つかったものの大部分はほこりっぽい地下室の紙の記録のなかに埋もれたまま、他の研究者の目に触れることはありませんでした。しかし現在では、世界で最も注目を集めるいくつかの遺跡の考古学者たちが、FileMaker Go for iPad を使って発掘現場で発見の詳細を記録し、その内容を明らかにしています。

「発掘したものを、FileMaker Go for iPad を使ってその場で記録し、決められた科学的な原則に基づいてデータを記録しています。今では、わかったことすべてが即時にデジタル化され、検索と共有が可能になります」と、シカゴ大学の博士課程学生、Michael Jennings 氏は話します。

考古学者たちは伝統的に紙の記録を用い、世界中どこへ行くにも、重くてかさばるバインダーを抱えて飛行機に乗っていました。ときにはデータがなくなることも、また読みにくい手書き文字のせいで調査結果が影響を受けることもあります。現場で集められた情報がコンピューターに入力されるのは、たいていは研究者が本拠地に戻ってからで、調査の記憶が鮮明な現場から何千キロも離れ、何ヶ月も後になってからのことです。Jennings 氏によれば、手作業での入力にかかる無駄な時間をなくすことで、その時間を有効に利用して調査結果を分析し、他の研究者も見られるようにすることができます。

現場で FileMaker Go を利用することで、観察結果を整理して世界中の研究者たちと共有するためのフレームワークができます。

— Michael Jennings 氏、シカゴ大学、
中近東言語・文化博士課程学生
Jericho Mafjar プロジェクトは、パレスチナのエリコに近い Khirbet al-Mafjar 遺跡を重点的に調査。

実地調査を近代化

Jennings 氏は現在 Jericho Mafjar プロジェクトに参加し、パレスチナのエリコに近い Khirbet al-Mafjar 遺跡を重点的に調査しています。イスラム考古学の歴史で欠くことのできない存在となっているこの遺跡は、初期イスラム時代の砂漠の城のなかでも最も重要なものの1つとして広く知られ、中心となる豪華な宮殿と大規模な浴場は精巧なモザイク、手の込んだスタッコ装飾、石の彫刻、フレスコ画で彩られています。

Jericho Mafjar はただ美しいだけでなく、キリスト教徒とイスラム教徒が隣り合って暮らしていた 8 世紀から 11 世紀のヨルダン渓谷での暮らしを知る手掛かりともなっています。パレスチナと米国の考古学者たちが、他にあまり例のない共同研究を進め、肩を並べて発掘にあたっています。そして FileMaker Go for iPad によって、その発掘現場では考古学の記録管理の近代化が進んでいます。

発掘現場での利用に適したデータベースがあれば、紙とデータ入力がなくなり、研究者に役立つと考えた Yasin 氏は、Jennings 氏と協力して既存の FileMaker データベースを iPad に拡張。

FileMaker Pro を iPad に拡張

Jericho Mafjar での大きな課題は、1960 年代にヨルダンのチームが発掘した遺跡北部の記録が消失したため、現在調査にあたっている研究者がゼロからのスタートを余儀なくされたことにあります。ひとつひとつの壁で、その装飾的な彫刻や飾り縁などの建築学的特徴を調べることから、調査は始まりました。チームは長年にわたって写真とスケッチを利用しており、壁の装飾を現場で紙またはラップトップに記録し、あとから総合的な FileMaker Pro データベースに蓄積する方法をとっていました。

Jennings 氏と共に調査にあたったプロジェクトの現場責任者、Jehad Yasin 氏によれば、このプロセスは役立ちましたが、面倒な事後のデータ入力にあまりにも時間がかかりすぎていました。そこで、発掘現場での利用に適したデータベースがあれば紙とデータ入力がなくなり、研究者に役立つと考えた Yasin 氏は、Jennings 氏と協力して既存の FileMaker データベースを iPad に拡張しました。iPad を使って現地調査をできるよう、デスクトップデータベースを iOS に拡張するのはとても簡単で時間もかからなかったと、Jennings 氏は振り返りました。

研究者は iPad の内蔵カメラを使って写真を撮り、その画像を FileMaker Go for iPad に直接ロード。

古い伝統を守る考古学に新しい世界のソリューション

現在の Jericho Mafjar の発掘現場では、研究者たちはもう重いバインダーを持って壁ひとつひとつの観察結果を細かく記入する必要はありません。研究者は新しい発掘箇所に入ると、iPad の内蔵カメラを使って写真を撮り、その画像を iPad 上の FileMaker Go データベースに直接ロードし、さらに簡単な概要を付け加えてインポートします。プロジェクトの地域監督を担当している Anthony Lauricella 氏は、次のように話しています。「完全な資料が、ポンと数分で出来上がりです。FileMaker データベースは iPad にも研究室にもあり、今では必要なすべてのデータが 1 つの記録に入っています。」

FileMaker Go for iPad によって、必要に応じて適切な方法をとる柔軟性が生まれています。

チームは、フィールドを変更したり追加したりできるようになりました。たとえば、ある壁の構造物の一部に再生されたブロックがあるかないかを示す、YES/NO のラジオボタンを追加することもできます。壁や建築学的特徴に関するすべてのデータをワンクリックで入手できるので、データを解釈し直す研究者や将来の発掘作業者にも、情報の透明性を確保することができます。「さらに、土の性質からコインのタイプ、歴史的段階付けまで、あらゆる項目をドロップダウンメニューから選べるプリセットのリストを作ったので、作業を大幅にスピードアップできただけでなく、入力を標準化でき、データのパターンを見つけやすくなりました」と、Jennings 氏は語りました。

FileMaker Go によって、異なる時代の壁の関係を明らかにして、同じ町での異なる文明や文化の栄枯盛衰を解明するのが容易になり、調査結果の分析にも役立っています。研究者たちはこれまでに 1,000 を超える記録を作成しました。FileMaker Go for iPad がなければどれだけの時間がかかったか想像もつかない、特に異なる壁のあいだの関係を紙の上で常に最新の状態にしておく作業は大変だと、Jennings 氏は次のように話しました。「FileMaker Go は、古い伝統を守る考古学に新しい世界のソリューションをもたらしてくれました。こては今でも、それぞれの要素が互いにどう関係しているかを判断するのに最も大切な道具です。けれども、現場で FileMaker Go を利用することで、観察結果を整理して世界中の研究者たちと共有するためのフレームワークができます。」

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