株式会社カワムラモータース

「経営者が“業務”の観点だけでなく“組織”の観点を持ち、その両方を成長させてこそ、経営やマネジメントの品質が向上します。FileMakerが業務改善に有効であることは多くの事例で実証済みですが、FileMakerによる情報共有が組織能力を高めることも私は確信しています」

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顧客と社員、その両方の「個」を大切にする経営革新の仕組みづくりにFileMakerを活用

顧客満足度と社員満足度の両方を重視し、FileMakerによる仕組みを有効に活用して業務と組織を向上させ、その経営革新で日本経営品質賞の受賞に至る

株式会社カワムラモータース

  • 福井県三方郡美浜町河原市17-3-1

業種

  • HONDA新車ディーラー(新車・中古車の販売および修理、自動車保険代理店業務など)

概要

  • 株式会社カワムラモータースは、高い経営品質を実現するための根幹となるツールとしてFileMakerを選び、その経営革新が評価されて2016年に日本経営品質賞を受賞した。業務改善の面では、顧客とのコミュニケーションの向上、メンテナンス入庫量の増加、独自のメンテナンス商品の開発を実現。さらに人材と組織の育成の面でも情報共有に基づく対話を推進したことで、社員のモチベーションが向上し、問題解決のできる組織へと成長してきた。

メリット

  • 顧客情報を自由に幅広く蓄積、分析することで、顧客満足度を上げ独自商品の開発にもつながった。
  • 情報の公開と共有により社内の対話を促進し、全員参加の組織風土を育てて、個人と組織の成長を実現した。
  • 組織の成長に応じてソリューションを成長させることができる。

システム構成

  • FileMaker サイトライセンス 28ライセンス
    (FileMaker Pro, FileMaker Pro Advanced, FileMaker Server)
  • iPad 10台
  • iPod touch 8台

FileMakerは、日本経営品質賞につながる経営革新に不可欠なツールだった

敦賀湾と若狭湾に面し隣り合う福井県敦賀市と三方郡美浜町。株式会社カワムラモータースはここでHONDAの新車ディーラーとして、Honda Cars 若狭 美浜店とHonda Cars 若狭 敦賀若葉店を経営している。2016年、同社は経営革新が高く評価されて日本経営品質賞を受賞した。受賞時の社員数は28名と、この年までに受賞した39社の中で最も少ない。

株式会社カワムラモータース
代表取締役社長
河村将博氏

株式会社カワムラモータースの河村将博社長は、日本経営品質賞の基本理念の中に「顧客本位」と「社員重視」がある通り、経営革新には顧客満足度と社員満足度の両方が重要と考えている。FileMaker開発者としても高度なスキルを有する河村氏は、FileMaker開発パートナーであるパットシステムソリューションズ有限会社の協力を得て、問題解決のできる組織の根幹を成すツールとしてカスタム Appを自らの手で開発してきた。「業務効率を高めることはもちろん大切ですが、さらに社員間の対話により個人と組織を成長させることを考えました。見えないものを可視化し、人と人との対話や接点を誘発する仕組みを目指してカスタム Appを作ってきました」(河村氏)

カワムラモータースは、顧客満足度と社員満足度の2つの課題に FileMaker のカスタム Appでどのように取り組み、成果を上げたのだろうか。

自分の考える経営革新は、FileMaker なしにはできませんでした。経営革新と FileMaker はきわめて親和性が高いものです

- 株式会社カワムラモータース 代表取締役社長 河村将博氏


顧客情報に基づくきめ細かいサービスや独自製品の開発により、顧客満足度を高め収益構造を変える

顧客満足度を高める仕組みとして、顧客の情報をきめ細かく蓄積するカスタム Appを作成した。顧客や車に関して購入時の基本情報だけでなく、走行距離など時間経過に伴う情報や、家族構成、雑談や観察の中から得た情報も蓄積している。

車検や定期点検、保険は日付が決まっている。一方、エンジンオイルやタイヤの交換時期は走行距離によるなど、メンテナンスは車ごとに異なる。走行距離を記録しておけば交換時期を予測して顧客に通知できる。相談に来た顧客は「僕の車のことなのに、お店の方は僕より詳しく車のことを知っていますね」「私は車のことはよくわからないので、オイル交換の時期などを教えてもらえて助かっています」と、タイムリーで行き届いた対応への満足と信頼を語っていた。この取り組みの結果としてメンテナンスの入庫量が増えたという。

また、ディーラーが販売する車は自動車メーカーの製品であり、車検や点検は法律によるもの。そして、自動車保険は保険会社の製品である。ディーラー独自の製品を開発する余地は少ない。その中でカワムラモータースは、顧客の声をもとに、独自製品を開発した。メンテナンスプランを柔軟に選択し分割払いもできるサービスだ。顧客からは好評で繰り返し継続して利用され、社員は自信を持って顧客に提案出来るという。

少子高齢化や過疎化などにより新車の売り上げが減少傾向にある中で、メンテナンス入庫量の増加や独自製品は企業として生き残るための有効な方策である。

全員が情報に関われば、察知する力、コミュニケーション、権限移譲など個人も組織も成長する

顧客に関する情報は、営業担当者だけでなく誰もが入力し、閲覧できる。この背景には「組織の成長のために担当者だけではなく全員がかかわる仕組みを作る」という河村氏の考えがある。

購入や点検の記録だけでなく、ちょっとした相談での来店や、顧客と話した内容などもカスタム Appに記録している。「頻繁に来店していたお客様がしばらく来ていないとか、いつも点検に出してくださる方が今回は検討したいというお答えだったなどの変化に気づき、共有できます」と河村氏が言うように、数字のデータだけでは気づかないことも察知できる。顧客の動向や声を蓄積する仕組みを、カスタム Appでは「ピンと来ちゃいました」という言葉で表現している。「お褒めの言葉」「苦情」などに分類せず自由に入力し、共有できる。

このような仕組みがあるので、社員は共有されている事実に基づいて話し合える。ほかの人の立場や事情を把握し、理解や思いやりも生まれる。こうして組織全体が成長し、情報の共有と公開に基づく権限移譲が可能となった。つまり、決定権を社員に与えて判断を任せ、管理者に頼らない組織になったので、2つの店舗にはあえて店長をおいていない。

社内の情報も共有して、対話による成長を促す

一方、社員満足度を上げるためのカスタム Appには、回覧メッセージ、ミーティングの議事録、営業担当者ごとの売上、収益の情報、個人目標設定、社員同士のフィードバック、社長との面談、従業員満足度アンケートなど、社員と社内の動きに関する様々な情報が集められている。情報の共有やコメントのやりとりなど、社内SNSのように利用できる。

このカスタム Appは、対話による個人と組織の成長のために作られた。情報を公開し共有することで、全員参加を促す。社員間のコミュニケーションが促進され、一体感が醸成されて、実行力の向上へとつながる。

やるべきことを可視化した上で、全員が同じ方向を向き、全員で問題を解決する仕組みとして、前述した顧客情報とこの社内情報のカスタム Appが重要な役割を担っている。

株式会社カワムラモータース
敦賀若葉店営業チームリーダー
北村直人氏
株式会社カワムラモータース
敦賀若葉店サービスチームリーダー
藤原有樹氏

社員にとってカスタム Appは「ないと仕事が回らないツール」

これらのカスタム Appを社員はどのように活用し、どうとらえているのだろうか。

敦賀若葉店サービスチームリーダーの藤原有樹氏は「点検時の走行距離などはもちろんですが、たとえば車にチャイルドシートがあればそのことも入力します。お子様を乗せているという情報は、メカニックの業務にも役立ちますし、営業チームに伝わればお客様との会話に活かせるからです」と言う。顧客と接する機会の少ない業務だが、お客様がどういう方か、お客様が車や自社をどう見ているかをカスタム App を通じて知り、お客様の喜ぶ点検や整備をしたいという意欲が高まるとも語る。

株式会社カワムラモータース
経理
網谷早苗氏

敦賀若葉店営業チームリーダーの北村直人氏も「営業担当者が仕入れた情報は、個人にとどまらず全員で共有されます。お客様の近況に応じた会話ができますね」と、情報共有の効果を感じている。また、使い方や走行距離などお客様によって異なる環境に寄り添ったサービスができるため、顧客との距離が近づき信頼を得られていると言う。

網谷早苗氏は両店舗の経理や売上管理など、業務の最終工程を総括的に担当している。「たとえばクレームは経費になるなど、経理にも影響があります。私はお客様と接する立場ではないので、何が起きているか、どんなお客様なのかわかりません。FileMaker で全体像がわかってありがたいです」と網谷氏は言う。社員の間で会話がはずみ親しくなることで、言いにくいことやお願い事も言えるなど、仕事がしやすくなったという効果もあるそうだ。

このように、カスタム App は「ないと仕事が回らないツール」(河村氏)として社内に根付き、活用されている。

経営革新とFileMakerはなぜ親和性が高いのか

組織に根付き経営革新につながる仕組みをFileMakerで構築できた要因として河村氏が最も強調したいのは、レイアウト設計の容易さだと言う。カスタム Appの改善や拡張も、社内での対話をもとにしているからだ。「プロトタイプを短時間で作れるので、どのようなものなのか、何を話し合うのかの意図が伝わります。修正や作り直しにも時間がかかりません。社員は、自分の声で仕組みが変わる、自分の声は大切にされているという意識を持つことができます」と、FileMakerの開発のスピードと柔軟性が効果的に活用されている。

次に河村氏が挙げたのが、設計の自由度の高さと検索だ。FileMakerは顧客の声や回覧板メッセージなど不定形な自由記述を記録し蓄積するのに向いており、検索もしやすい。

そして、組織の成長に伴ってシステムを成長させていけることも重要である。河村氏は「みんながシステムを使い、話し合いを重ねることで、チームが変化する。それに応じてシステムを進化させる。業務改善や個人と組織の成長につながる仕組みとなっているのです」と語る。

さらに「システム条件を満たすコンピュータやモバイルデバイスがあれば、すぐに始められます。IT の資産管理も容易です。このことも、特に中小規模の組織にとっては有利です」とも河村氏は指摘する。

FileMaker で「業務」と「組織」の両方を成長させ、経営品質を向上させる

河村氏はこれまでの実績に基づいて、「経営者が“業務”の観点だけでなく“組織”の観点を持ち、その両方を成長させてこそ、経営やマネジメントの品質が向上します。FileMaker が業務改善に有効であることは多くの事例で実証済みですが、FileMaker による情報共有が組織能力を高めることも私は確信しています」と語る。経営革新の仕組みづくりを支えるツールとして、FileMaker は大きな可能性を持っている。

本事例の詳細を、FileMaker カンファレンス 2017の事例セッションにて、ご紹介します。

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