ユーザーインタビュー

国立大学法人 名古屋大学医学部附属病院

医療者が直接設計に関われる医療情報システムを構築

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名古屋大学医学部附属病院 医療経営管理部 副部長・情報管理室長 吉田茂准教授

名古屋市の中心部にほど近く、全国でも屈指の大規模病院として名高い「国立大学法人 名古屋大学医学部附属病院」(以下、名大病院)は、1871年の設立以来、診療だけでなく、教育・研究の点でも、中部・東海地方のリーダーとしての役割を果たしてきました。特にIT医療に対する取り組みの早さとその成果は、全国でもトップレベルと評価されています。

「本当に良いシステムであるか否かは、システムそのものではなく、それを使って達成した仕事の成果によって評価されるべき」と語る、医療経営管理部 副部長・情報管理室長の吉田茂准教授に、詳しいお話をうかがいました。


1. 医師やナースにとって理想的な電子カルテをめざして

5年ごとに病院システムの更新をおこなう名大病院では、第3次でオーダリングシステムを、第4次では電子カルテを導入し、全国でもいち早く、医療情報システムの構築を展開してきました。「しかし、早くから電子カルテの導入はしたものの、レスポンスやシステムの安定性には問題が残りました。そのうえ医療現場からは、『使いにくい、診療のプラスにならない』という不満が続出したのです。」と吉田先生は振り返ります。

長年小児科の臨床医として医療に携わり、現在も週一回外来診療にあたっているという吉田先生は、大手ベンダー主体で開発された既存の電子カルテの問題点については、誰よりも痛感していたといいます。「たとえば麻酔科では、手術後の麻酔記録を麻酔台帳に記録して管理する必要があります。電子カルテにもそれを入力するフィールドがあるのですが使いにくいため、現場の医師は、あえて使用していませんでした。」

「そこで、第5次システムの更新に際しては、医療スタッフの診療活動をより『楽に、早く、安全に、質の高い』ものにできるシステム構築をめざし、入念に準備を進めました。具体的には、病院内にシステム委員会を設立し、3年の月日をかけて利用者のニーズを汲みあげる作業を続けたのです。」その結果、面白い事実が浮き彫りになりました。名大病院には29の診療科がありますが、その8割以上が FileMaker Pro で独自に作成した診療データベースを持っており、ほとんどが部門や診療科内で共同利用していたことがわかったのです。

「実は FileMaker Pro の使い勝手のよさ、カスタマイズのしやすさについては、医師の間では以前から定評がありました。アンケートの結果、『医療スタッフが現場で作りこんだ FileMaker Pro のシステムを、電子カルテのユーザーインターフェースとして正式に採用して欲しい』という要望が多いことが判明したのです。」

買い物かご画面

電子カルテと FileMakerが連携しているランチャー起動画面

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「 FileMaker Pro でスクリプトのロジックを考えたり、画面のレイアウト設計をする時間が一番のリフレッシュタイム」と語り、FileMaker Pro オタクを自認される吉田先生ですが、既設の電子カルテを直接 FileMaker Pro のシステムにつなげることについては危惧を感じていました。「電子カルテと FileMaker Pro のシステムを“密”にしすぎる、つまりフロントエンド( FileMaker Pro 側)からの医療データの更新を、そのつど電子カルテに反映する仕組みに設計してしまうと、制度変更が頻繁にある医療業務では、たび重なる仕様変更にシステムが対応しきれない恐れがありました。電子カルテの設計をいじるとなると、ベンダー側のSEに依頼しなければならず、莫大なコストと時間がかかってしまうのも問題です。」
それでは第5次システムの更新では、吉田先生はどのようにこの問題を解決していったのでしょうか。

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プロフィール

国立大学法人
名古屋大学医学部附属病院

プロフィール

1871年(明治4年)、名古屋藩評定所跡地に公立の病院として設立されて以来、一貫して中部・東海地区の中核病院として発展した歴史を持つ。病床数1035床、外来患者数は一日約2200人。2004年4月に独立行政法人化された。

http://www.med.nagoya-u.ac.jp
/hospital/index.html

システム構成

    • Windows XP
    • FileMaker Server Advanced
      1ライセンス
    • FileMaker Pro
      1000クライアント

FileMaker カスタマ・ストーリー

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