ユーザーインタビュー

国立大学法人 名古屋大学医学部附属病院

医療者が直接設計に関われる医療情報システムを構築

買い物かご画面

※前任地の神鋼加古川病院小児科で使用中のFM版電子クリニカルパス

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3. FileMaker Pro で「患者状態適応型パスシステム」を実現

第5次システム更新で、電子カルテシステムに加えた機能のひとつに「クリニカルパス」があります。クリニカルパスとは「疾患ごとの治療スケジュールを時系列にまとめたもの」で、必要なケアを適切な時期に患者に提供するための行程表です。「最適な治療法のノウハウを反映したクリニカルパスを使うことにより、医師の経験や力量に左右されがちな治療レベルの向上・均質化を図るため、早い段階からこのクリニカルパスの電子化に取り組んできました」と吉田先生は語ります。

日本クリニカルパス学会で評議員をつとめる吉田先生は、このクリニカルパスを更に発展させた「患者状態適応型パスシステム」の開発研究にも携わってきました。「実は従来のクリニカルパスには欠点があります。同じ疾患でも、患者によって病態のプロセスは多様に異なるものなのに、それに対応するだけの十分なパターンが準備されていなかった。そのため、標準的なプロセスから外れてしまった患者は対処しきれず、クリニカルパスの使用自体が中止になってしまうこともしばしばでした。」

この問題の解決のため、臨床プロセスを細分化し、各行程ごとに病態にあわせた複数のパスを作成しました。そして、行程ごとに患者の病態変化に最も合ったパスを選択しながら最終的なゴールを目指すという、ルート選択型の電子パスシステムを構築したのです。 FileMaker Pro をベースにしたこのシステムにより、標準的なプロセスから外れてしまった患者にも、最後までパスを使い続けることができるようになったといいます。

プロセスチャート画面

プロセスチャート画面

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吉田先生は、更に「地域医療連携」を促進する仕組みも FileMaker で構築中です。これは、地域の開業医からの検査の事前予約などをおこなう「前方支援」のプロセスと、名大病院を退院した患者の受け入れ先を確保するための「後方支援」のプロセスを、病院を超えてつなげようという試みです。ここでは前方支援であるマンモグラフィーやPETなど、検査の予約システムをご紹介しましょう。現在はオペレータが予約システムの入力画面を操作し、開業医からの電話による予約を受け付けていますが、近い将来、Web上で自動予約が可能になるよう改良していく予定だそうです。

「地域連携予約システム」入力画面

「地域連携予約システム」入力画面

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4. 医療界の FileMaker Pro の達人、集まれ!

吉田茂准教授写真

「仕事は楽しく」がポリシーという吉田先生は、近年ご自身が所属する日本クリニカルパス学会において、「医療者がシステムを自作する」というユニークなプロジェクトも立ち上げました。「主に FileMaker Pro を使ってシステムを自作している、北は北海道から南は沖縄まで点在する医師メンバーに声がけし、学会の席上にPC展示コーナーを設けて各自自慢のシステムを公開したこともあります。2007年5月には、北京で開催されたIEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)とICME(International Conference on Complex Medical Engineering)主催の国際会議にメンバー9人で参加し、FileMaker Pro で自作した医療データベースシステムに関する8演題を、英語でプレゼンテーションしてきました。会場を埋めつくした中国人研究者たちから、『日本の医師は忙しいと聞いていたが、いったいどうやってこんなすごいシステムを自作できるのか?』と質問を浴びせかけられるほどの反響でしたよ。」

「医師の一週間は8日、一日の長さは30時間」と、忙しさを笑い飛ばす吉田先生。最後に今後の抱負をうかがいました。「いろいろなプランがありますが、まずは他の病院とシステム共有できるプラットフォームを作りたい。医療界の FileMaker Pro の達人たちが自作した便利なシステムを、全国の医療者が、無料で自由に使えるようにしたいんです。今、その仕組みを試行錯誤しながら考えているところです。」

医療界のさまざまな分野で活躍する吉田先生が、FileMaker Pro を使って次にどんな新しい挑戦をするのか、これからも、ますます目が離せなくなりそうです。

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プロフィール

国立大学法人
名古屋大学医学部附属病院

プロフィール

1871年(明治4年)、名古屋藩評定所跡地に公立の病院として設立されて以来、一貫して中部・東海地区の中核病院として発展した歴史を持つ。病床数1035床、外来患者数は一日約2200人。2004年4月に独立行政法人化された。

http://www.med.nagoya-u.ac.jp
/hospital/index.html

システム構成

    • Windows XP
    • FileMaker Server Advanced
      1ライセンス
    • FileMaker Pro
      1000クライアント

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