ユーザーインタビュー

舞台芸術を支える名脇役、“劇場管理システム”

500箱の保管スペースが、FileMaker Pro によるデジタル化で10分の1に

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もともと全部がばらばらな紙の状態だった

東京・三軒茶屋駅前の「キャロットタワー」に1997年4月にオープンした「世田谷パブリックシアター」は、演劇と舞踊を中心とした音楽などの舞台芸術のための劇場。主劇場(約600席)の舞台は可変設備によって、客席と舞台との境界線のないオープン形式と額縁型のプロセニアム形式に変化します。主劇場に加え、225席の小劇場「シアタートラム」、稽古場・音響スタジオ・作業場を併設しており、舞台芸術の多様なプランに対応する高水準の機能と設備をそなえています。

「世田谷パブリックシアター」の芸術監督は狂言師の野村萬斎氏が務め、2つの劇場を使用してさまざまな公演がおこなわれています。こうした公演で使用する舞台、照明、音響などの図面と劇場そのもののスケジュール状況を一元化して管理することを可能にしたのが、FileMaker Pro をベースに開発された"劇場管理システム"です。その導入について、「世田谷パブリックシアター」制作部の矢作勝義氏にお話をうかがいました。

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世田谷パブリックシアター

制作部 矢作勝義氏

「世田谷パブリックシアター」では、当初は劇場をどのように使うのかという情報をすべて紙で保管していました。しかし、「開業から5年、10年と年月が経つにつれて、保管そのものにスペースを占めるようになってしまった」と矢作氏は語ります。「劇場のスケジュールを見て、図面などのさまざまなデータが一対一で対応するようなものができないかというところから始まったんです。もともとスケジュールはExcelで月ごとの表を作成しており、個々の公演に関するデータはファイルに入れて棚にストックしていました。この2つをコンピュータ上で一元化できないかというところからスタートしたんです」。

矢作氏が劇場管理システムの構築を始めた当初は、データの管理とスケジュールを合わせることがなかなか上手くいかなかったそうですが、この問題の解決の糸口は、意外なところにありました。

「同志社大学・同志社女子大学の学生さん達が FileMaker Pro で作った、講義の資料を管理していくというテンプレート(こんなん欲しかってんキャンパスツール)があったので、これを参考にすれば情報管理に関してはうまくいきそうだと考えたのがブレイクスルーのひとつでしたね」。

矢作氏は仕事の合間を使って、1年がかりで「現場の意見を取り入れながら」システムを構築したといいます。

「もともと全部がばらばらな紙の状態だったんですよ。それぞれの担当者に各項目を記入して提出してもらっていたんです。それを集約していってレイアウトを作り直していきました。紙で作成していたものを FileMaker Pro からもアウトプットできるようなレイアウトにしていったんです。その上で、紙の上に書いていた項目や追加で入れておくべき項目、または FileMaker Pro を使うにあたってあらかじめ入れておくべき値などを用意していきました」。

現在も機能強化を重ねているという「世田谷パブリックシアター」の劇場管理システム。次ページではその詳細についてご紹介します。

次ページ:紙の情報をすべてデジタル保存

プロフィール

世田谷パブリックシアター

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1997年4月、東京都世田谷区の三軒茶屋にオープン。高水準の機能と設備をそなえた、演劇と舞踊を中心とした音楽などの舞台芸術のための劇場。狂言師の野村萬斎氏が芸術監督を務めることで知られている。

http://www.setagaya-pt.jp/

システム構成

    • Windows XP
    • Mac OS X
    • FileMaker Pro
      30ライセンス
    • FileMaker Server
      1ライセンス

FileMaker カスタマ・ストーリー

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