VUHL

メキシコに本拠を置く新興の高級スーパーカーメーカーであるVUHLでは、FileMakerプラットフォームが物流、生産、顧客サービスのプロセスを管理するための主要なツールとなっています。

夢からスポーティーなスーパーカーの製造へ

概要

  • VUHLは高級スーパーカーの設計と製造を専門とするメキシコの新興企業で、自動車の製造と購買に関連する異なるプロセスを処理する強力な情報管理ソリューションを必要としていました。100を超えるサプライヤの部品と材料の物流管理から、入念な生産プロセス、モータースポーツのエリートと競合する顧客サービス、さらに高度な顧客関係ソリューションまで、VUHLはFileMakerパートナーのCreative Databasesが開発したカスタムメードのFileMakerソリューションを活用しています。

業界

  • 自動車製造業

ソリューション

  • VUHLはFileMakerプラットフォーム上に、固有のSCM、ERP、CRMプロセスを伴う物流、製造、顧客サービス向けソリューションを構築しました。

利点

  • 物流プロセスの改善、間接経費の削減、出荷遅延の減少。すべてのビジネスプロセスをFileMakerソリューションで追跡。FileMaker Goを用いて物流、生産、販売の情報に素早くアクセス。

今から30年前のメキシコシティで、イケル(Iker)とギレルモ(Guillermo)のエチェベリーア(Echeverria)兄弟は子供時代の夢だったおもちゃの自動車を、ふたりのために父親が設計して作ってくれるのを毎晩毎晩じっと見つめて過ごしました――この車には、なんとエンジンまでついていたのです。兄弟がその小さな自動車を運転して近所を走ると、ほかの子供たちはあっけに取られて見ていました。

30年後の2013年6月、エチェベリーア兄弟は英国に出かけ、自分たちが作った公道走行可能な軽量スーパーカー、VUHL 05を、ロイヤルオートモービルクラブが毎年開催する展示会で発表しました。そこはモータースポーツ業界の世界的中心です。そしてそのちょうど2年後、ふたりは高級スポーツカー製造にかかわるテクノロジーの1つとしてFileMakerプラットフォームを利用しながら、メキシコのケレタロに初のVUHL製造工場を開設しました。

アイデアと意志と資源を組み合わせる技術

VUHL
FileMaker Goを実行しているiPadの画面をひと目見るだけで、VUHLのCEO、ギレルモ・エチェベリーア氏は、どんなプロセスの状況でもチェックすることができます。

この兄弟の設計とレース、そして設計完成への情熱は、プロが参加する地元のレースで優勝した経験をもつ父親のギレルモから受け継いだものです。そのような資質をもったことで兄弟は工業デザイナーになり、すばらしいVUHL 05を作り上げました。Vehicles of Ultra-Lightweight and High Performance(超軽量高性能車両)の頭文字をとったVUHLに、ふたりの父親のゼッケン番号である05を加え、父親への敬意をこめた名称です。

VUHLは、デザイン、スピード、性能、イノベーションに価値を見出すモータースポーツ愛好家向けのスーパーカーの範疇に属しています。VUHL 05モデルは軽量2シーターロードスターで、シンプルなラインと洗練された獰猛性を感じさせるフォルムをもち、最高速度245km/h、0-100km/h加速3.7秒の性能を誇ります。

VUHLのCEOであるギレルモ・エチェベリーア氏によれば、この自動車を生み出すことができたのは4つの基本的条件が整ったからです。すなわち、設計と空気力学テストのソフトウェアツールが入手可能になったこと、投資会社CONACYTの支援を得られたこと、自動車業界のサプライヤに協力の意志があったこと、そして欧州議会および欧州連合理事会が少数生産ギレルモ・エチェベリーアスポーツカーの登録を承認したことです。

連続生産には本格的なプロセスが必要

VUHL
「VUHLでFileMakerを使用することに大きな可能性を実感し、しっかりしたソリューションを作成してくれる専門のFileMakerデベロッパを探しました」と、VUHLのCEO、ギレルモ・エチェベリーア氏は語ります。

少量連続生産がVUHL創設者の目標でした。

「私たちの会社は、生産ライン、販売代理店、国際的クライアント、一流のサービス、将来の成長を備えた、収益性の高い企業でなければなりません」と、ギレルモ・エチェベリーア氏は語ります。そして、
「2010年から2013年までは、デザイン、プロトタイプの製作、研究開発に専念しました。しかし英国で発表したあと、私たちの新しい課題はサプライチェーンになりました」と付け加えました。

FileMakerプラットフォームを使用してサプライチェーンおよびエンタープライズリソースプランニングのソリューションを作成しようと提言したのは、VUHLチームのサプライチェーン管理スペシャリストでした。物流と生産モデルに秩序と構造を確立するために、ソリューションのベータ版が社内でデザインされ、テストされました。

「(FileMakerのプロトタイプに)大きな可能性を感じたので、先に進めることに決め、しっかりしたソリューションを作成してくれる専門のFileMakerデベロッパを探しました。私たちのニーズに合ったカスタムメードの提案と作業計画を示したメキシコの大手FileMakerビジネスパートナー、Creative Databasesとの協力が始まったのは、こうした経緯からです」と、ギレルモ・エチェベリーア氏は説明しています。

VUHL 05には1500種類の部品があり、それぞれに異なる部品番号がついて、世界各国の100を超えるサプライヤから供給されています。Creative Databasesにとっての課題は、デスクトップとモバイルデバイスの両方からアクセス可能な柔軟で多機能なサーバーベースのツールを用いて、関連するすべてのプロセスを管理するソリューションを開発することでした。

このFileMakerソリューションは、物流と生産の全プロセスについて、SCMおよびERPモジュールを統合しています。個々の部品がサプライヤの工場を離れる瞬間の詳細な位置から始まり、その部品が税関を通過して倉庫に到着するまで、途中のすべてのステップをFileMakerで追跡します。そこには、自動車部品1個ずつの原価管理と在庫管理も含まれます。

作業を簡単にするために、ソリューションには配送とプロセスをグラフィカルに監視する「チェックポイント」、つまり信号システムが含まれています。FileMaker Goで稼働するソリューションのモバイルバージョンを用い、iPadやiPhoneの画面をひと目見るだけで特定のプロセスの状況を知ることができます。

「管理ツールのおかげで、倉庫に部品を搬入した作業者の名前、その部品を取り出した棚、工場での材料の原価まで知ることができます」と、ギレルモ・エチェベリーア氏は話しました。

ワールドクラスの購入後体験

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VUHLのために開発されたFileMakerカスタムソリューションは、すべての物流および生産プロセスのためにSCMとERPモジュールを統合しています。

ギレルモ・エチェベリーア氏によれば、同社の顧客は多くの場合、すでに高級スポーツカーを所有しています。そのため、それらの顧客がVUHLを購入する際には、個別のニーズに対応したワールドクラスの購入体験が求められます。その期待に沿うために、顧客には購入する自動車の主な製造プロセスが伝えられます。顧客はまず、車体の外板であるアルミニウム製ハニカムモノコックのアセンブリステージに同席するよう招待されます。この外板は、航空・宇宙機器にも使用される接着材を用いて数百個もの押出成形材で組み立てられるもので、病院の手術室のように清潔な溶鉱炉で処理されています。数週間後、顧客は工場を訪れ、すべての電子機器と接続が整った自動車を見て、自分の手ではじめてエンジンをかけることできます。

これらの主な顧客イベントを追跡するために、FileMakerプラットフォーム上に顧客関係管理モジュールが開発されました。このモジュールを通して、販売代理店は顧客および見込み客を登録し、自動車をオンラインで構成して納車時期を知ります。同様に、顧客もその自動車の進行状況を追い、上記のような大切なイベント時にVUHLの工場に招待を受けることができます。見込み客もFileMakerで動作するWebサイトを利用して、入手可能なオプションで自動車を構成してみることができます。

VUHLの前に続く前途洋洋とした道

現在、VUHLはビジネスの成長を受けて、同じくケレタロにある新工場に移転しようとしています。VUHLの新工場が稼働を開始するまでには、VUHL 05の製造に必要なすべてのテクノロジーツールが揃う予定です。物流、生産、顧客サービスのプロセス管理はすでに整っているため、エチェベリーア兄弟は情熱をもって、新たな自動車にかける夢の想像と創造に専念することができます。

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