うさとジャパン

“散らばっていた情報を一つにまとめ、1か所からいろいろな情報にアクセスできるようになりました。海外とも情報を共有できる環境を作っていきたいと思っています”

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業務をシンプルにする FileMaker プラットフォームで、作り手、売り手、買い手の価値観を共有し、共感を呼ぶ

“タイやラオスで製作されている手作りの服を、一番シンプルな方法で届けたい” その考えに基づいて情報を一元化し、無駄を省いた業務を実現

うさとジャパン

住所

  • 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町538

業種

  • 衣料品 製造販売

概要

  • タイやラオスで手作りされ、うさとジャパンに届いた服は、全国のコーディネーターが主催する展示会を通じて販売される。うさとジャパンでは、服に付けられた手書きのタグの情報を FileMaker の カスタム App に入力して、在庫や売上を管理している。これにより請求業務、在庫管理、棚卸の時間が短縮され、精度も向上した。また、在庫や売上、展示会、コーディネーターの情報が連携しているのですぐに参照できる。コーディネーターは FileMaker WebDirect で共有されているフォームに自分のスマートフォンのブラウザからアクセスして展示会の開催を申請できるので、うさとジャパンでは申請内容を手入力する必要はなく、申請内容の確認やコーディネーターへの連絡もスピーディーになった。

導入効果

  • 業務の仕組みの変化や企業としての考え方に合わせて柔軟に カスタム App を作ることで、効率化すべき部分にフォーカスして無駄を省くことができた。
  • 販売管理システム、紙、スプレッドシートと分散していた情報を FileMaker で一元化し連携させたことにより、関連する情報をすぐに参照でき、社内での情報共有も容易になった。
  • 売上の管理や展示会の開催受付、棚卸などの業務にかかる時間を短縮し、ミスも減少。
  • タイにある拠点のほか、米国やヨーロッパの国々(イギリス、ドイツ、ベルギー、スイス)で開催される展示会とも情報を共有できる。

天然の素材を使った手作りの服を販売会で直販

タイやラオスで天然素材から手作りされているうさとの服

暮らしの中で育まれた布 その布と寄り添う衣服との暮らし うさとのものづくりはひとりひとりの暮らしとともにあります−−うさとの商品である服を紹介するパンフレットには、このように書かれている。
うさとの服は、タイやラオスで製作されている。素材は綿、麻、絹で、ほとんどが手紡ぎで糸に加工される。染色は草木染め。その糸を農村の女性たちが織る。ほとんどが手織りで、布のデザインも織り手に任されているという。こうしてできた布はタイのチェンマイにある生産拠点を介して縫い手のもとへ。服のパーツごとに分業するのではなく、1人の縫い手が1着を最初から最後まで縫い上げる。
完成した服はチェンマイから京都のうさとジャパンに送られ、日本全国で販売される。天然の素材を使い手作業で作られた服は肌触りや着心地が良く、着る人の動きにともなって動き、風をはらんで美しい表情を描き出す。




うさとの服はコーディネーターを通して着る人に届く

うさとの服は、常設店舗のうさと京都店のほか、各地で開催される展示会で販売されている。展示会を運営するのは、「コーディネーター」と呼ばれる個人や団体だ。北海道から沖縄まで、日本全国に約150の「コーディネーター」がいる。

全国のコーディネーターが展示会を開催して服を販売している

コーディネーターは主に、最初は近隣で開催されている展示会等でうさとの服を購入し愛着を持ち、この服をもっと他の人にも届けたいと考えた人たちだ。コーディネーターになることを希望する人は、説明会に参加し、その後、京都のうさとジャパンで服の取り扱いを学ぶ研修も受ける。このように、手をかけてタイやラオスで作られた服は、うさと、そしてコーディネーターと、その服を大切に思う人々の手を通して、着る人に届けられている。

展示会はおおむね1回あたり週末の3〜4日間で、全国で見ると毎週10か所前後で開催されている。コーディネーターが日程を決めて会場を手配し、うさとジャパンに開催申請をする。うさとジャパンはその申請を受け付け、服を出荷する。展示会が終わると、残った服がコーディネーターからうさとジャパンに返送され、販売数に応じて手数料の精算をする。




分散している情報を連携させたかった

株式会社DBPowers
代表取締役
有賀啓之氏
うさとジャパン
山根雅之氏

このような販売の仕組みであるため、うさとジャパンでは服の在庫、販売に伴う売上、展示会、コーディネーターのデータを管理する必要がある。
以前は、販売管理システム、FAXなどの紙、スプレッドシートと、データが分散していた。そのため、例えば販売管理システムの中のある情報に対して調べたいことがあったら、紙やスプレッドシートを探さなくてはならなかった。うさとジャパンの山根雅之氏は FileMaker プラットフォームの導入を検討していた時期をこう振り返る。「展示会の数が増えつつあったので、同じ作業の繰り返しを避け、ミスを減らすために、この状況を整理する必要がありました。分散している情報を連携させるには FileMaker が適していると考えました」
その相談を受けて、FileMaker Business Alliance パートナーである株式会社DBPowersの代表取締役 有賀啓之氏が FileMaker の カスタム App の開発を手がけている。業務の仕組みも作業内容も変わり続けているうさとには、それに応じて カスタム App も変えていける FileMaker プラットフォームが適していると、山根氏も有賀氏も口をそろえる。必要性や要望に応じて情報管理の切り口や画面上での見え方を柔軟にカスタマイズし、画像やグラフなども活用するなど、FileMaker の利点が活かされている。

手書きのタグと FileMaker で服の在庫や売上、請求を管理

うさとジャパン
中野雄公氏
売上や在庫管理のベースとなる手書きのタグ

服の在庫と売上は、品番管理されていて、あたたかみのある手書きのタグには品番と価格が書かれている。タグはタイまたは日本ですべての服に付けられる。
3週間ごとにチェンマイから入荷があり、インボイスのスプレッドシートをもとに FileMaker の カスタム App に品番や数量などをインポートする。これが在庫管理のベースとなる。
展示会で服が売れると、その場で服からタグを外してコーディネーターが保管する。そして展示会終了後に、残った服と一緒にタグをうさとジャパンに返送する。
送られてきたタグをうさとジャパンで カスタム App に入力することにより、どの服が何枚売れたがわかる。こうして把握した販売実績をもとに、うさとジャパンはコーディネーターに請求書を発行し、また在庫の数が計算される。
経理を担当しているうさとジャパンの中野雄公氏は「売上を入力した後、展示会の画面からボタンをクリックするだけで請求書を添付したメールが作成され、すぐに送信できます」と、誤請求の防止や時間短縮の効果を語る。利用状況を有賀氏にフィードバックし、操作ミスを防ぐ設計にしてもらったこともあるそうだ。また「在庫管理や棚卸にかかる人数も時間も減少し、精度も向上しました」とも言う。

展示会の開催申請には FileMaker WebDirect を利用

日本各地にいるコーディネーターは iPhone などのスマートフォンのブラウザから開催申請のフォームを送信できる。

展示会を開催したいコーディネーターは、手持ちの iPhone などのスマートフォンを使って、ブラウザから開催申請のフォームにアクセスし、送信できる。これは、FileMaker の カスタム App をWebブラウザで実行する FileMaker WebDirect で実現されている。
申請フォームは、開催日と終了日はカレンダーをタップする、会場はそのコーディネーターが過去に開催したところが選択肢としてメニューに表示されタップで選べるなど、スマートフォンの小さな画面上でも簡単にミスなく入力できるように配慮されている。
フォームが送信された後の処理について、展示会の調整業務をしているうさとジャパンの中山寿実氏は「申請が送信されるとメールで通知が届くので、カスタム App で内容を確認します、その後、ボタンをクリックすればコーディネーター宛の受付完了メールが作成されます。以前はFAXで届いた申請を手入力していましたが、今では FileMaker を使うことで業務にかかる時間が格段に短縮され、入力ミスもなくなりました」と語る。さらに「履歴を参照できるので確認しやすくなりました。またコーディネーターの情報がすぐにわかるのも気に入っています」とのことだ。

FileMaker 上に情報を集約し連携させたことで、業務の効率化や情報共有が実現され、共感できる情報として活用されている

データを連携できるようになり、情報の可視化や共有も実現

このように、服、展示会、コーディネーターの情報をすべて FileMaker 上で扱うことで、バラバラだった情報を連携できるようになった。たとえばある服を品番で検索すると、形や価格、在庫数といった服そのものの情報に加え、その服がどの展示会で売れたかも同じ画面に表示される。いずれかの展示会をクリックすると、その展示会やコーディネーターの情報が表示される。このように関連する情報をすぐに参照できる。
山根氏は「当初やりたかったデータの連携を達成しました。ほかに、販売のトレンドや在庫のバランスが可視化されたり、スタッフに業務全体の情報が共有されるようになったこともメリットです。さらに、この情報が FileMaker で管理されているならこのように活用できるのでは、といった意識をスタッフが持つようになりました」と語る。売れ行きや在庫などの情報はタイの拠点にも共有され、製作計画に反映されている。

価値観を大切にするために、FileMaker で無駄をなくす

今後はタイの拠点などともさらに情報共有を推進したい考えだ

タグをベースにした商品管理はQRコードなどを利用してさらに効率化することも可能だが、あえてそのようにはしていない。その理由を山根氏は「必要なことだけを最もシンプルなやり方でやるという考え方に基づいています。たとえばタグは、服が小ロットであるため印刷には適さず、実は手書きが一番早くて無駄が少ないのです。FileMaker を使えば手かずを少なくできるという点が、うさとの業務に合っています」と説明する
有賀氏もこう語る。「暮らしの中で心地よく使えるものづくりをするうさとの価値観を、顧客やコーディネーターなど、うさとの服に携わる人々と共有し、共感できる仕掛けを作ることを目指しています。タイやラオスの人々が手作りし、手書きの商品タグが付いている。そういう服を愛し、使う環境にQRコードのようなものはそぐわないでしょう。目的は合理化そのものではなく、より大切なことに手間をかける時間を作るために業務の無駄をなくすことです」

今後について山根氏は「FileMaker に情報が蓄積されてきたので、これからはその情報を分析して、たとえば販売実績に基づいて展示会用の出荷内容を最適化するなどの活用をしていきたい」との構想を持っている。また、展示会場でコーディネーターが iPad を使って売上をその場で入力する取り組みも始まっている。うさとの服は米国でもコーディネーターによる展示会で販売されているが、iPad の活用は米国でいち早く進められそうだという。

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